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介護がはじまったらなにをする?

高齢の家族がいると、「介護が必要になったら何をすればいいのだろう」と不安を感じることがあるかもしれません。そんなときに、まず知っておきたいのが介護保険制度です。

介護保険制度は、介護が必要な高齢者とその家族を、社会全体で支え合うしくみです。
ここでは基本的なしくみや申請の流れについて学んでみましょう。 

さっちゃん

最近お母さんが
「おじいちゃんのもの忘れがひどくなってきて、
そろそろ介護のことを考えなきゃいけないかしら…」
って気にしているみたいです。

えみ先生

もしかしたら介護保険制度の利用を検討してみる時期かもしれないね。

目次

■介護保険制度の基本

介護保険は高齢化が進み介護の問題が深刻化したことを背景に、2000年からスタートした比較的新しい公的制度です。

高齢化にともなって介護を必要とする高齢者が増える一方で、核家族化によって介護を担う家族の状況が昔とは変わりました。介護のために仕事を辞めなくてはならない人が増え、介護を支える家族の負担を減らす必要性が増しました。

そこで、高齢者の生活をみんなでサポートするしくみとして介護保険制度がつくられました。制度は市区町村が運営し、費用は保険料と公費(税金)でまかなわれています。 

◇介護保険制度の対象者

40歳以上のすべての人が被保険者(ひほけんしゃ)となり、保険料を負担します。

被保険者は年齢によって2種類に分かれています。

・第1号被保険者
65歳以上の人。介護が必要になれば原因を問わず介護サービスを受けることが可能

・第2号被保険者
40歳から64歳の人。加齢にともなう疾病(特定疾病)が原因の場合のみサービスを受けられる。ケガが原因で介護が必要になった場合、サービスを受けることができない。

◇利用できるサービス

介護保険制度では、介護が必要になると介護サービスを受けられます。現金を受け取る民間の介護保険とは異なるしくみです。

厚生労働省のサイト1によると介護サービスは26種類ありますが、大きく分けると次の3種類に分けられます。

在宅サービス

ホームヘルパーや看護師、理学療法士などから、自宅や通所施設で日常生活の支援、介護やリハビリなどを受けます。

施設サービス

在宅介護が難しい場合に、施設に住まいを移して介護などを受けます。施設には以下があります。

・介護老人保健施設(老健):退院後の在宅復帰を目的に、短期間の利用が可能

・特別養護老人ホーム:介護の必要性が高い人から優先して入所できる。長期間の利用が可能

・介護医療院:医療体制が整っているため、重い疾患のある人でも療養と介護を受けられる

地域密着型サービス

定期巡回・夜間の訪問サービスや認知症対応など、地域の実情に合ったサービスが提供されます。住民票のある市区町村内の事業所が提供するサービスのみ利用できます。

■介護保険の申請の流れ

サービスを利用するには、はじめに市区町村に申請し、「介護や支援がどれくらい必要か」の認定を受ける必要があります。

申請から利用までは以下の流れです。

  • 要介護認定を申請する
    市区町村の介護担当窓口に要介護認定を申請します。手続きに不安がある場合には地域包括支援センターに相談し、代行を依頼することも可能です。 
  • 要介護認定の審査・判定を受ける
    調査員の訪問調査や主治医の意見書の内容をもとに、「どれくらい介護や支援がが必要か」判定されます。
  • 結果の通知が届く
    結果は、「要介護1~5」「要支援1、2」「非該当」のいずれかで通知されます。原則、申請から30日以内に通知を受けます。
  • 介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらう
    ケアマネージャーがケアプランを作成します。どのサービスを、どのくらいの頻度で利用するか相談しながら決めます。
  • サービスを受ける
    ケアプランに沿ってサービスを利用し、かかった費用の1~3割を負担します。要介護度別に利用できるサービスの量に上限があり、超えた分は全額自己負担です。
えみ先生

介護を検討するときには、介護保険のしくみや申請の流れを知ることからはじめるよ。
利用できるサービスの内容は自治体によって異っていて、市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談できるよ。

さっちゃん

お母さんに教わった内容を伝えてみようと思います


参照

  1. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/ ↩︎
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